ホームページ制作会社はグレーな企業なのか

ホームページ制作会社はグレーな企業なのか

そもそも、ホームページ制作会社はWEB業界と言われていますが、広告代理店である場合が多く、職種で言うと「広告業」にあたります。

その為、ホームページ制作のみに留まらず、企業に関する広告物は大抵扱えます。 また、Facebookのように突然現れ、今まで取り扱った事が無い媒体でも「今後需要がある」と判断すれば取り入れていきます。

ホームページの制作以外にも、名刺の作成からノベルティー・パンフレット・ポスターと割となんでも引き受けてくれる会社が多いです。
※もちろん中には「印刷物はちょっと無理です・・・」という会社もあります。

会社を起こしてまず必要なのは「ホームページ・名刺の作成・パンフレット」だと思います。 それらを別々の場所へ依頼していては、とても大変です。

また、今後の広告物に関しても相談ができますので、私がお客様の立場なら「助かる」と感じると思います。

では、なぜマイナスイメージがあるのか自分なりに考えてみました。

その1 お客様の無知を利用してきた制作会社

お客様の無知を利用してきた制作会社

ホームページ制作のご依頼をされる多くの方は、当然ながらホームページに関する知識は無いに等しいです。 その為、提示された金額が「高い」のか「安い」のかすら分かりません。

そんな時、お客様が基準にするのが「知り合いのホームページの価格」だったり、「インターネット上の書き込み」だったりします。

ここで「確かに!」と思った方はご注意下さい。

それでは金額ばかり見てしまい「内容」や「」といった【一番大事】な部分が抜け落ちています。

知り合いのホームページが60万円だったからといって「あなたのホームページが同じ金額になる理由」にはなりません。

また、安すぎても「オリジナル」を謳いながら「テンプレート」だったなんてこともよくあります。

正直、私もこればっかりはインターネット上で見極めるのは難しいと思います。

ですので、「会って直接お話を聞く」「数社に見積もりを出してもらう」「質問をする」「実績を確認する」などが近道になると思います。

その2 必要の無い物を買わせられてしまう

必要の無い物を買わせられてしまう

ホームページには様々な機能が付けられます。 「無いよりは有ったほうが良い」かもしれませんが、あなたにとって【金額に見合った価値】があるでしょうか?

例えば、「文字の大中小、切り替えボタン」「音声読み上げシステム」学校や病院のホームページなら有ったほうが良いかもしれませんが、一企業のホームページに必要でしょうか?

もしくは、「最先端の技術」を本当に必要としているでしょうか?
大切なのは「最先端の技術を取り入れること」ではなく、「最先端の技術をどう活かすか」だと思います。

また、HTML5はホームページだけに留まらず、アプリ制作においても活躍していますが、これらの新しい技術は、一部環境下で表示されない等の課題もあります。

「新しいものを取り入れるのは良い事」だと思いますが、メリット・デメリットをしっかり把握する必要があります。

その3 詐欺的である

詐欺的である

売上があがります!」等甘い言葉で誘い、ホームページで毎月○万円で数年のリース契約を締結するのは詐欺罪にあたります。

昔よくあったのが「制作費0円!月々3万円~!」などの謳い文句です。

悪質な業者は、詐欺罪にならないようにホームページ以外の物でリース契約をしようと、不必要なホームページ更新ソフトや、高いサーバー代、パソコン等を買わせて契約します。

しかも、これらは法的にクーリングオフが不可能である場合が多く、消費者庁や国民生活センターなどに相談した方が早いです。

そもそも、リースの話が出た時点で警戒しましょう。

その4 SEO詐欺が未だにある

SEO詐欺が未だにある

広告費を伴わない広告として有名なのがgoogleなどの検索結果であり、検索結果で上位表示する為の最適化の作業をSEOと言います。

未だに、SEOで確実に検索順位1位を実現!など謳っている業者がいますが、SEOに絶対はありません。

1位を取れたとしても「検索されないキーワード」「競合の居ないキーワード」ではまったく意味がありません。 「1位になって当然」です。

例えば、「あなたの会社名」で検索して1位になったとしても、「あなたの会社名」のホームページを公開しているのが「あなた」だけなら自然と1位になります。

また、検索文字は英語と日本語で区別されてしまうので、日本語名で検索した時に競合他社が居たとしても英語表記しておけば英語で検索した際に1位になります。

つまり、会社名を英語表記してしまい、「雅ホールディングス」で検索すると14位だけれど「miyabiholdings」で検索すれば1位など「意味のないSEO実績」で料金を請求してくる場合があります。

SEO対策は時間のかかる作業です。それも短期間ではなく数ヶ月単位です。

その間に結果が出れば良いのですが、結果が出なくても作業は行われている為、諸費用を請求されます。
また、3ヶ月経って結果が出ない場合「もう少しでいけそうなので、さらに3ヶ月がんばってみましょう!」などと声をかけられるかもしれません。

しかし、今まで主流だったSEO対策はgoogleが閲覧者にとって有益なページが上位になるように日々調整していますので、あまり意味がありません。 (※基本的なSEO対策はとても大切です!)

ですので、「閲覧者にとって有益なページ・コンテンツ」を造る事が最大のSEOとなります。

また、SEO以外にも「広告費」ばかりかかって「結果」が伴わないということが多々あるようですので、 対策としては、信頼できる業者を探すか、最低限の知識を身に付けるか、詳しい知人に相談しましょう。

その5 製作者の実力が伴っていない

製作者の実力が伴っていない

建築などと違い、出来上がったホームページの内部構造は誰かがチェックする訳でもなく、不備があったとしても誰にも気づいて貰えません。 見た目だけがキレイで、中身がボロボロということがあります。

ホームページにも基本となる文法があり、W3Cの標準規格に合わせて制作会社はホームページを作っています。

私が今まで見てきてひどかったのは「テーブルレイアウト」「フレームレイアウト」「HTMLに直接CSS」で作成されたものです。

分かり難いかもしれませんが、「テーブルレイアウト」とは「エクセルのような表」を利用し、その表の中で作られるホームページで、「HTMLに直接CSS」というのは、現在は「HTMLで本文」「CSSでレイアウト」と2つのファイルに書き分けなければいけません。しかし、それをHTMLの1つのファイルにまとめて書いてしまう書き方があります。

「テーブルレイアウト」「フレームレイアウト」「HTMLに直接CSS」は1995年頃~2004年迄に主流だった方法ですが、現在ではW3Cの標準規格外になっています。

ホームページビルダーというWEBサイト作成ソフトを使うとこの書き方になってしまう事があるのですが、これは「素人の方でもホームページが作れる」というコンセプトですので仕方ないと思います。

しかし、プロが上記の方法で作成というのは、私には理解できませんでした。

また、内部構造はボロボロでも、残念ながらホームページが作られなかった訳ではないのでクーリングオフも難しいです。

その6 制作会社によって作業ごとに金額が違う

お客様の無知を利用してきた制作会社

お客様にとって金額が高い事は悪であると思われてしまうかもしれませんが、私たちも仕事としてやらせて頂いております。

その為、最低でも自分の給料にあたる分くらいは頂かなくてはいけません。

そして、「原価の無い」商品を取り扱っている私たちにとって原価とは時給にあたります。

ですので、「どの作業でいくら」ではなく、ホームページ制作の場合は「合計金額」を判断材料として頂ければ他社と比較しやすいのではないかと思います。

A社
画像作成 1万円
TOPページ 6万円
下層ページ 1ページ 5,000円

B社
画像作成 5,000円
TOPページ 3万円
下層ページ 1ページ 1万円

先ほど、サーバー代は高くても1000円くらいだと書きましたが、もしかしたらサーバー代を月額3000円頂いているのは「制作費」を安くしている会社さんなのかもしれません。

A社 60万円の制作費(サーバー代月額1000円-2年分込み)
B社 40万円の制作費+サーバー代月額3000円

上記では、ぱっと見た感じでB社の方が良心的であると言えるかもしれません。

しかしサーバー代が実質1000円の同じサーバーを利用した場合、B社は2万4000円の利益がある事になります。
つまり、6年4ヶ月でAと同額になり、6年5ヶ月目からA社より毎月2000円づつ高くなります。

実際は6年4ヶ月経つ前にリニューアルをされると思いますが、結果としてほぼ同額になります。

このような料金の違いにお気づきにならない場合、A社とB社にお見積もりを出された方は、A社へ20万円余計に払うことになると考えるので「A社は20万円も上乗せする悪い会社」「B社は良い会社」と判断されてしまいます。

さらに言ってしまえば、この段階でお客様がB社を気にいった場合、リニューアルもB社へ依頼されるのでB社は継続的に利益を上げることができます。

その7 結果がともあわない

お客様の無知を利用してきた制作会社

ホームページの多くは、作っただけでは意味がありません。

ホームページの少ない時代や稀にある穴場のキーワードを上手く捉えた場合は、それだけでアクセス数や売上が上がることもあるかもしれませんが、ホームページが溢れて飽和状態となっている現在では「無い」と思った方がいいでしょう。

そして制作にだけお金をかけたとしても、制作費をそのまま広告費にまわしただけの成果が出ることは、「まず無い」と思って頂いていいと思います。

また、アクセスアップはホームページ制作とは別に考えられている場合が多いです。

ホームページ制作でアクセスアップができるとすれば、そのサイトの知名度や内容が決めてになります。

「広告10倍」という言葉があるようですが、これは制作費の「10倍の金額を広告にかけないと効果が出ない」という事らしいです。

しかし、私はそうは思いません。

たしかに、普通にやっていたのでは10倍近い額を広告にかけないと理想の効果が出ないかもしれません。

ですが、それ以上の効果をもたらす為に、私たちWEB制作のプロがいるのも事実だと思います。

まとめ

長くなってしまいましたが、これらがホームページ制作会社がグレーな企業と思われる大きな要因かと思いました。
今回書いた事以外にも、まだまだあると思います。

しかし、当然ですが多くのWEB業界の方は真面目に取り組んでいます。

WEBデザイナーなどは華やかな仕事に思われがちですが、実際は地道で薄給で「IT土方」と言われている仕事です。

そして、一部の人の行いが業界全体を悪く見せてしまっているのも事実だと思います。
今まで多くのIT業界の方が、それを見て見ぬふりをしてきたのも事実です。

そのような業者を見つけたり、お客様から相談されても、何をどうしたらいいか分からないという人も多いと思います。

また、今年からWEB業界に入った人もいると思います。

その人にとっては過去の話で「自分には関係の無い事」と思うかもしれません。

正直、私にとっても「自分とは関係の無い話」です。

だからといって、このまま見て見ぬふりを続けていては、WEB業界は益々グレーな存在となってしまいます。

ですので、私はせめて自分の手の届く範囲の人達にはこの事実を伝えていければと思います。

そして、一人でも多くの方が詐欺的な被害に遭わない事を切に願います。

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